11瀧尻王子宮(十郷神社)

おもいやる かものうはげの いかならむ しもさへわたる 山河の水


奥州三代目、藤原秀衛ゆかりの地
田辺市中辺路町栗栖川1223
0739-64-0366


熊野九十九五躰王子です。前の川での水垢離場げ、石船川は、観自在菩薩の水。広き流は、阿弥陀如来の水なり。昔は七堂伽藍の僧坊がありし場所なり。

熊野の巡礼者、天田愚庵の巡礼日記を読む「松尾心空」熊五郎の師匠さん。

一には、父母菩提の為、二には衆生結縁の為、西国巡礼を思い立ち、今年六月、勧進帳を出して、世の浄財を集める。その文に曰く、
西国三十三番の霊場は、救苦(きゅうく)の本願観音菩薩、大慈大悲の眦(まなじり)を垂れ給う。法王(花山法王)あまねく巡拝されてより、以来天下巡礼の跡を慕うもの、はなはだ多し、それがし、身を三宝にゆだね、そしいよいよ切なり、今ここに秋季彼岸を期して、出発せんとよくす、よりて結縁の為め、あえて普く十方の浄財を乞わんとす。されど人に貧富の分ありと、いえども、勧進の高多き時は、すなわち結縁の数おのずから、減じ、喜捨の財軽きに過ぐれば、以って帰依の信するに足らず。故に貴賎平等金、三銭三厘と定む、是より多くも受けず、是より少きもまた受けず、嗚呼、善男子善女人、三界の火宅を出で輪廻の苦を免れんと思わば、早く随喜の誠をいたして、菩提の縁を結びたいと、結ぶ。

「明治27年卯の月出発の愚庵が」さて巡礼に用意の品々は、
食鉢(じはつ)[持鉢(じはつ)、僧侶の食器〕。墨斗(やたて)。印籠。地図道中記。磁石。望遠鏡。験温器。晴雨計。桐油(とうゆ)〔桐油合羽の略、桐油を塗った紙の合羽〕把針具(はしんぐ)〔裁縫用具〕。白布。白紙。薬剤。納経帳。随喜人名簿各1巻。普門品(観音経)33巻、そのほか、着替えの衣類等みな風呂敷に納めて支度整い彼岸の初日と定め出発する。
道中の掟を決める
1、道順は先ず伊勢の大廟に詣で、次に熊野三山に詣で、しかるのち1番より打ち始める。
1、1箇所に1夜ずつ、参篭通夜する事。
1、札所の外にも、神仏霊場、名山大川は、最寄に従いなるべく、登臨参詣する事。
1、道中はみだりに舟、車、馬、駕籠に乗り、順礼の本意を失うべからざる事。木札を33枚緒につなぎ、胸元にかけたり、笠は深編代に、樫の杖をつきて庵室を出る。